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減量 2025.07.09 NEW
「ダイエットでいびきが治る?睡眠時無呼吸症候群と体重の関係」
肥満と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の関係
肥満は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の最大のリスク因子のひとつです。特に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)では、首回りや腹部の脂肪が気道を圧迫し、睡眠中に呼吸が止まりやすくなります。
- SAS患者の約70%が肥満であり、逆に肥満者の約40%がSASを発症しているというデータがあります。
- 体重が10kg増えるごとにSASの発症リスクは2倍、BMIが6増えるごとに4倍になるという報告もあります。
- 肥満によるSASは、高血圧・糖尿病・心疾患などの生活習慣病とも深く関係しています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
SASは、睡眠中に10秒以上の無呼吸や低呼吸(呼吸が浅くなること)を繰り返し、その結果、体内の酸素濃度が低下したり、睡眠が中断されたりする病気です。主なタイプは以下の2つです。
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1.閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA): 睡眠中に上気道(のど)が閉塞することで呼吸が一時的に止まるタイプ。SASの約9割がこれに該当します。
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2.中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSA): 脳からの呼吸指令が一時的に止まることで呼吸が停止するタイプ。心不全などの病気が原因となることが多いです。
OSAの合併症
SASは単なる睡眠の問題にとどまらず、放置すると様々な深刻な健康問題を引き起こします。
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●高血圧: 睡眠中の低酸素状態や交感神経の活性化が、血管収縮を引き起こし、高血圧を悪化させたり、新たに発症させたりします。
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●糖尿病: 睡眠の質の低下や断片化、間欠的な低酸素状態は、インスリン抵抗性を悪化させ、血糖コントロールを困難にします。
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●心血管疾患:
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◦不整脈: 特に心房細動のリスクが高まります。
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◦狭心症、心筋梗塞: 高血圧や糖尿病とともに、動脈硬化を進行させます。
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◦心不全: 呼吸努力による心臓への負担が増大します。
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◦脳卒中: 血圧の変動や動脈硬化の進行がリスクを高めます。
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●肥満の悪化: 睡眠不足は食欲を増進させるホルモン(グレリン)の分泌を増やし、満腹感を抑えるホルモン(レプチン)の分泌を減らすため、さらに肥満を悪化させる悪循環に陥ります。
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●交通事故のリスク: 日中の強い眠気により、運転中の居眠りなど、交通事故のリスクが大幅に上昇します。
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●うつ病: 睡眠の質の低下は精神的な健康にも悪影響を与えます。
肥満とOSAの治療
肥満を伴うOSAの治療の中心は、減量です。
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1.減量:
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◦軽度から中等度のOSAであれば、5〜10%の体重減少でも症状が劇的に改善したり、完治することもあります。内臓脂肪の減少だけでなく、首周りの脂肪も減少するため、気道の物理的な閉塞が軽減されます。
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◦食事療法、運動療法など、適切な減量プログラムに取り組みます。高度肥満の場合は、肥満外科手術も選択肢となります。
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2.CPAP(持続陽圧呼吸療法):
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◦中等度から重度のOSAの第一選択治療です。マスクを介して一定の圧力をかけた空気を送り込むことで、睡眠中の気道の閉塞を防ぎます。症状の劇的な改善、日中の眠気の解消、高血圧や心血管疾患のリスク低減に非常に効果的です。
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◦CPAPはあくまで対症療法であり、根本原因である肥満を解決するものではないため、CPAPと並行して減量に取り組むことが推奨されます。
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マウスピース(口腔内装置):
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◦軽度から中等度のOSAで、下あごを前方に突き出すように固定するマウスピースを使用し、気道を広げます。歯医者で作成します。
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外科手術:
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◦鼻中隔湾曲症や扁桃肥大など、明らかに気道を狭めている構造的な問題がある場合に考慮されます。肥満が原因のOSAには、手術の効果は限定的であることが多いです。
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CPAP(シーパップ)治療について
CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)は、SASの標準的な治療法です。専用のマスクを装着し、気道に空気を送り込むことで、睡眠中の気道閉塞を防ぎます。
- 睡眠の質が改善し、日中の眠気や集中力の低下が軽減されます。
- 心血管疾患のリスク低下や生活の質の向上にもつながります。
- 保険適用で治療が可能で、月1回の通院で使用状況や副作用の確認を行います。
当院での対応
当院では、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を実施しております。ご自宅で行える検査機器を用いて、無呼吸の有無や重症度を評価します。
また、CPAP治療の導入・管理も当院で対応可能です。検査から治療まで一貫してサポートいたしますので、いびきや日中の眠気が気になる方はお気軽にご相談ください。
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