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心臓と腎臓:密接に連携する重要な臓器

私たちの体には、生命維持に不可欠な様々な臓器がありますが、その中でも「心臓」と「腎臓」は、お互いに深く関連し、協力し合うことで全身の健康を支える非常に重要なペアです。

 

一見すると異なる働きをしているように思えますが、この二つの臓器はまるで車の両輪のように連携し、どちらか一方に問題が生じると、もう一方にも影響が及ぶことが少なくありません。

 

 

 

心臓と腎臓の基本的な役割


まず、心臓と腎臓がそれぞれどのような働きをしているのか、基本的な役割を確認しておきましょう。

 

心臓の役割


心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割を担っています。

 

  • ●血液循環の維持: 肺で酸素を受け取った血液を全身に送り届け、細胞が必要とする酸素や栄養素を供給します。同時に、老廃物や二酸化炭素を回収し、肺や腎臓へと運びます。

  •  
  • ●血圧の維持: 血液を送り出す力(心拍出量)を調整することで、全身の血圧を適切に保ちます。

 

 

腎臓の役割


腎臓は、血液をろ過し、老廃物や余分な水分を排泄する臓器です。

 

  • ●血液のろ過と老廃物の排泄: 体内の老廃物(尿素、クレアチニンなど)や余分な塩分、水分をろ過し、尿として体外に排泄します。これにより、血液をきれいに保ちます。

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  • ●体液量・電解質バランスの維持: 体内の水分量やナトリウム、カリウムなどの電解質のバランスを細かく調整し、常に最適な状態に保ちます。

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  • ●血圧の調整: レニンというホルモンを分泌するなどして、血圧の調整にも関与しています。

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  • ●造血の促進: エリスロポエチンというホルモンを分泌し、赤血球の生成を促します。

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  • ●骨の健康維持: ビタミンDを活性化し、カルシウムの吸収を助け、骨の健康を保ちます。

 

 

 

心臓と腎臓のつながり:なぜ密接なのか?


このように、心臓は血液を全身に送り出し、腎臓はその血液をきれいに保つという、まさに「持ちつ持たれつ」の関係にあります。具体的なつながりは以下の通りです。

 

  • ●血液供給: 腎臓が正常に機能するためには、心臓から十分な量の血液が送られる必要があります。心臓のポンプ機能が低下すると、腎臓への血流が不足し、腎臓の働きが低下する可能性があります。

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  • ●血圧調整: 腎臓は、体液量やレニンなどのホルモンを介して血圧を調整します。腎臓の機能が低下すると、体液量や塩分の排泄がうまくいかなくなり、血圧が上昇しやすくなります。高血圧は心臓に負担をかけ、心不全や心筋梗塞のリスクを高めます。

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  • ●体液・電解質バランス: 心臓の機能が低下すると、体内に水分がたまりやすくなり(浮腫)、腎臓への負担が増加します。また、腎臓の機能が低下すると、カリウムなどの電解質バランスが崩れやすくなり、不整脈など心臓に悪影響を及ぼすことがあります。

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  • ●老廃物の蓄積: 腎臓の機能が低下すると、血液中に老廃物が蓄積します。これらの老廃物は血管の内皮細胞に損傷を与え、動脈硬化を進行させたり、心臓に直接的な毒性をもたらしたりすることがあります。

 

 

ここからは、心臓と腎臓がどのように連携しているのか、なぜ両方の健康が大切なのか、そして特に近年注目されている「心腎連関」という概念について、詳しく解説していきます。

 

 

特に重要!「心腎連関(しんじんれんかん)」とは?

 

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